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佐倉朝日健康マラソン

調子は良いと思った。2週間前(3月13日)に走った古河はなももマラソンの疲れは完全に取れた。その翌週は、3月19日にマラソン完走クラブで少し強めのペース走(本当は30km走だったけれど、20kmで脱落した)、20日によこはま月例マラソン20km(途中までゆっくり、最後の2.5kmだけキロ4分ペース)に参加した。どちらも無理しない程度に控えめに走った。月曜、火曜は腹筋やランジで補強を行った。
 
水曜日は心臓に刺激を入れるため、ジムで傾斜をつけたトレーニングをした。傾斜をつけることで足への疲労がたまりにくくなると考えた。1時間、角度5%と決めて、時速8キロ(キロ7分半)からビルドアップし、最後は時速12キロ(同5分)まで上げていく。1時間が短く感じたし、ペースをどんどん上げてもさほどきつさを感じなかった。心臓に十分な刺激を入れるために、最後は時速14.5km(同4’08”)、傾斜は8%まで上げなければならなかった。
 
金曜日に会社の送別会を開いてもらった。ビール1杯にするはずが、ベルギービールの誘惑に負けて3杯飲んでしまった。
 
レース当日は新川崎駅まで40分近く歩いたものの、そこからJR佐倉駅まで乗り換えなしで一気に移動。もちろんグリーン車。快適そのもの。用意した朝食は完食。いつも多め(1200〜1300kcal)に用意するので、全部食べ切れることは珍しい。
 
佐倉駅に着くと、駅前で待っているシャトルバスで会場へ。肌寒かったが、会場にはテントが用意されていて快適。椅子とテーブルもありくつろげる。スタート時刻を待つ間、本を読みながらリラックスする。調子は良いが、前半飛ばしすぎないようにという自戒の念を込めて、目標通過タイムを設定し、Facebookで公開した。その時設定したタイムは次のようになる。
 
5km 23:10
10km 46:20
15km 1:08:50
20km 1:31:20
25km 1:53:10
30km 2:15:00
35km 2:36:40
40km 2:58:20
42.195 3:08:00
 
簡単に言えば、最初の10kmを4’40”、次の10kmを4’30”、それ以降を4’20"という設定だ。最初の10kmを抑えているうちに、だんだん楽に走れるようになりペースを上げていけるような展開を考えた。湘南国際マラソンのときのように、後半になってスピードを上げたくて仕方ないという感じになるようにと思ってのペース設定である。
 
30分前にスタート地点に移動し、簡単にストレッチをして3時間から3時間半というブロックに並ぶ。号砲からスタート地点までは16秒。ほとんどロスなくスタートすることができる。大会の運営という点では最高クラスだと思う。
 
最初は急激な下り坂。道幅が狭く混雑しているので、ブレーキをかけながら下っていく。1キロの通過は5分ちょっと。下り坂であることを考慮すると、もうちょっと早く通過したかった。次の1キロは上り坂になり、4’37”。いいペースではあるけれど、上りであることも考えるともう少し落としてもよかったかもしれない。次が再び下り坂で4’25”。速くなりすぎてしまった。上り坂と同じ感覚で進むとペースが上がってしまう。
 
周りを見ると、ニッポンランナーズのTシャツを着た女性がなかなかいいペースで走っている。髪が長く、足は細く締まっている。X脚のためか、脚の細さが一際印象深い。ときどき咳払いをする。恐らくは風邪が治りかけなのだろう。この女性の後ろを走ることにする。
 
女子ランナーはとても安定したペースで走っていたが、僕の想定ペースよりは少し速かった。キロ4分32秒プラスマイナス2秒。あまりに安定していたので、この人をペースランナーにしないのはもったいないと思ってしまい、ここでペースを落とす判断ができなかった。数秒くらいなら想定ペースより速くても問題ないかと思ってしまった。他のランナーを次々と追い抜いてしまった。序盤なので、それほど苦しくはなかったし、いけると思ってしまったのは失敗だった。
 
天気予報は曇りだったが、雨が降り始めた。走っていると、降っているか降っていない分からないくらいの小雨だった。でも濡れた道路が降雨の事実をありありと告げていた。
 
10km地点で、想定通過タイムより40秒速くなる。1キロ当たり僅かに4秒の違いだが、このペースがあとで効いてくる。
 
12キロまでニッポンランナーズの女子に引っ張ってもらったが、だんだんペースが落ちてきたので前に出ることにした。僕は4’30"ペースに上げていかなければならない。そこから15km地点までは予定通りの4’30”にぴたりを合わせた。10〜15kmのラップが22’37”。想定ペースより少し遅くすることで全体としての目標通過タイムに近づけることができた。
 
15kmから上り坂。ペースを守ろうとした結果息が切れてしまった。この1キロが4’37”。坂の大きさ(20mくらい)の割にはペースは落ちていない。呼吸の乱れが回復しないまま突き進むことになる。このダメージは大きかった。下り坂になってもそれほどペースを上げられなくなってしまった。15〜20kmのラップが22’32”。ほぼ予定通りだが、無理をしてペースを守っていたのは明らかだ。
 
20kmを過ぎて4’20"ペースに上げるはずが、もはやそんな余裕はない。4’30”を維持するのが精一杯になってしまった。22kmで頭に風船をつけたペースランナーに追いついた。ゼッケンには3:15と書いてある。きつくなり始めていたので、すごくほっとした。このランナーについて行こうと思った。3:15とあるが、恐らく3:12を切るだろうと感じた。
 
4’30”台の前半くらいでラップを刻んでいく。最初はこのペースが心地よかった。後ろから追いついたので一旦ペースを落とす感じになり楽に感じた。このまま集団についていくのはそれほど大変ではないだろう。そう思った。でも27kmくらいで、苦しくなり始めた。28.5km地点で印旗沼の橋を渡るために左折する瞬間に、足指が攣った。走れないほどではないのだが、一瞬で走る気力が奪われた。ペースランナーに置いていかれた。キロ4’57”に落ちた。次の1キロでは足裏が攣って立ち止まってしまった。
 
コースの端によってストレッチをしていると、ニッポンランナーズの女性が抜いていった。再びこの女性について走ることにした。女性もだいぶペースが落ちている。4分40秒台後半。なんとかついていける。
 
だいぶ落ちたけれど、計算すると、キロ5分を維持できれば3:20は切れるはずだ。新たな目標に向けて、痙攣がひどくならないように注意して走る。36kmまではこの新しい目標に沿って走った。この時点ではキロ5’15"でも良いはずだった。
 
しかし次の1キロは5分半。痙攣がふくらはぎまで到達し、ペースを落とさざるを得なかった。ここで3:20は無理だと悟った。残り5キロなので、目標を5分延ばせばキロ6分を超えても大丈夫。でも現実はそんなに簡単ではなかった。
 
印旗沼脇の側溝を渡るための木製の橋を渡る。獣臭のする牛舎脇の未舗装路を走る。一つ一つが足にダメージを与えていく。38kmでふくらはぎが二度目の痙攣。3本の芍薬甘草湯を飲んだが、もはや効果はなかった。
 
痙攣にも2種類ある。ペースを落とせばなんとか走れる弱い痙攣と、歩くこともできないような強い痙攣だ。このときは後者に近いものだった。幸い、完全に筋肉が収縮してしまうところまではいかなかったが、走り続けることは不可能だった。
 
試しに歩幅を極力小さくして小走りに走ってみたが、100mくらいで厳しい痙攣が襲ってくる。天から大きな見えない手で鷲掴みにされるような痛みだ。気力の最後の一滴まで搾り取っていくような痛みだ。それでもう諦めてしまった。残りを全部歩く。歩く分には特に問題はなかった。
 
40km手前で3時間半のペースランナーに抜かれる。42km地点では3時間45分のペースランナーにも抜かれる。彼に「45分切れるよ」と言われ、再び走り出す。200mに1’29"かかっているので、キロ7分半くらいのペースで走ってゴール。
 
ここまでの失敗レースになることはほとんど想定外だった。最初に書いたように調子は良かった。走っている間も走った後も、全然原因が分からなかった。しかし、数日経つに連れ、おぼろげながらも分析ができるようになった。それを書いてみたい。
 
まず第一に、昔に比べて足先が冷え性になったことに思い当たった。走ることが習慣になる前は、靴を履いていると足が蒸れて不快になることがあったが、最近はそういうことがほとんどない。いつも冷たいし、走っていても温まるどころか硬くこわばって強い違和感を感じることがある。この日も3月後半にしては寒かった。足先が冷たくこわばっていた。そこに前半の雨が加わって、痙攣につながった可能性がある。このレースの1週前のマラソン完走クラブでも、寒い雨の中走って足裏が痙攣した。一般に暑くて脱水状態になったときに痙攣を起こすと言われるが、寒いときも筋肉がこわばって痙攣しやすいのではないだろうか。
 
第二に、靴紐をきつく縛りすぎて血流が悪くなっているというものだ。あまり紐については意識せず、買ってきたシューズを適当に緩めて履いているだけなので、もう少し気を配るべきだった。
 
第三に、金曜日の飲み会である。僕は通常、フルマラソンの週は月曜日から土曜日までの6日間アルコールを抜くことにしている。この日はマラソン程度の理由では断れない大事な飲み会だったし、気の置けないメンバーが集まった。幹事にも良いお店を予約してもらって、美味しいベルギービールを3杯(750ml)飲んだ。しかし、原因はアルコールそのものではないと思っている。実はこの日、ビールだけでなく、トマトジュースも3杯飲んだ。土曜日もトマトジュースやコーヒーを飲んだ。すると、異常なほどトイレが近くなった。レース前に痙攣防止のためにナトリウムやカリウムを補給したつもりが、逆に全部排出してしまったような気がする。
 
そして最後に、レースペースである。15kmからの上り坂をハイペースで押し切ったダメージが蓄積して、後半に影響したようだ。ハイペースで突っ込んだ古河はなももマラソンのときよりも、ハーフ通過時点の余裕はなかった。設定ペースを守ろうとしたあまり、走りながら体からのフィードバックに対応することができなかった。目標を書いたからにはそれを守らなければと、必要以上に飛ばしてしまったと思う。
 
5’01” 4’37” 4’25” 4’28” 4’30” (5km 23’01”)
4’32” 4’30” 4’32” 4’33” 4’31” (10km 45’40” 22’39”)
4’33” 4’36” 4’30” 4’29” 4’30” (15km 1:08’17” 22’37”)
4’37” 4’27” 4’30” 4’26” 4’32” (20km 1:30’49” 22’32”)
4’30” 4’33” 4’29” 4’41” 4’26” (25km 1:53’27” 22’38”)
4’39” 4’34” 4’33” 4’57” 5’29” (30km 2:17’39” 24’12")
4’48” 4’48” 5’07” 4’59” 4’54” (35km 2:42’15” 24’36”)
5’12” 5’33” 6’39” 9’18” 10’17” (40km 3:19’13” 36’58”)
12’53” 11’05” 1’29” (3:44’30 25’17”)