GDP発表

あさって2月15日はGDPの発表があります。Bloombergの調査では2期ぶりのマイナス成長となる見通し。

 

www.bloomberg.co.jp

 

すでにマイナス成長は織り込んでいるので、株式市場への影響はないでしょう。

金曜日の原油価格、NYダウの上昇を受けて、日経平均先物は15400円を回復していますので、15500円程度まで戻すと予想します。

別府大分毎日マラソン

陸連登録を忘れたので、ほとんど最後方からのスタート。大きな大会では、陸連未登録者の扱いは低い。
別府大分マラソンは、スタート地点に立つためにもグロスで3:30以内の記録がないといけない。だから渋滞を引き起こすような遅いランナーはいないはずである。それでも一番後ろからスタートすると、なかなか前に進まない。スタートから30秒ほどして、ようやくスムーズに(ジョグペースで)進むようになると、前方が一斉にストップ。まるで、ちょっと進んでは止まることを繰り返す高速道路を走る車のように。
 
スタートから1分後、ようやくスタートラインを踏む。ほとんどの大会は、大きなアーチがあり、ネットタイムを計るためにスタート地点にも計測用のセンサーが置かれ、「ここがスタート地点」というのが祝祭的に分かるようなっている。でも、別府大分マラソンのスタートラインは、単なる整列の場所に過ぎない。だから、白いビニールの線が1本だけ引かれている。下を向いて走っていない限りは気づかないほどの地味さである。
 
ここでストップウォッチのボタンを押す。ここから、僕のフルマラソンは始まる。ロスタイムは無視して、自分の時計でネットタイムを計測する。スタートラインを越えても、渋滞は解消されない。最初の1キロはのろのろと進む。周囲のランナーとの実力差が少ないせいか、1キロを過ぎても集団の人口密度は高いままである。それでも、目標ペースの4’30”に近づいていく。
 
今回の目標は、前半を4’30”、後半は少し上げて4’25”のペースで走ることだ。前半が速すぎると、どうしても後半が長く感じてしまう。だからなるべく前半は楽をしておいて、後半の20kmを気持ち良く走りたい。
 
最初の5kmが22’37”、次の5kmが22’21”でほぼ目標通りのペースでスタートを切ることができた。きつさもなく、10kmの折り返しに思ったよりも早く到達した。
 
折り返すと、僕と同じくらいのゼッケン番号を付けたランナーが何人もいる。同じ位置からスタートしているはずなので、ペースも同じくらいのはずだ。だからペースメーカーとして付いて行くことにした。きついということはないのだが、ペースが若干上がって4’25"前後になってしまった。
 
別府側から大分に向かう道は気持ちが良い。広々と開けた道路を淡々と進んでいく。3車線の車道を目一杯使い、カーブに合わせて右へ左へ車線変更を行う。ウインカーは出さない。国道10号線はカーブの外側が高くなっているので、最短距離を走ることがアップダウンを減らすことにもつながる。
 
ここまでは疲れもなく不安もない。左側にはときおり海が見える。前のランナーの背中を見てペースを合わせていく。でもだいたいは我慢ができなくなって前に出る。給水で目標のランナーを見失うこともある。
 
景色の気持ちよさの一方で、胃の方は朝食を食べ過ぎたのか気持ちが悪い。アミノバイタルゼリーは2本持っていたが、持って走ると重いので13kmと23kmで早めに飲んだ。やはり2本持っていたスポーツ羊羹は食べたいという気持ちが起きない。食欲が起きないどころか、気持ち悪いので、ちょっと吐いたら走りやすくなるのでは、という気持ちにまでなった。
 
朝食はホテルでの和朝食を選んだ。ビュッフェ形式では脂っこい食事になりそうだったので、和食のほうがしっかりと炭水化物を補給できると考えた。9時までにご飯を3杯食べ、会場に移動してから大福(福岡で買った梅ヶ枝餅だ)を3個頬張った。
 
食事に関して言えば、最後までまったく空腹を感じることはなかった。途中、気持ち悪くもなったが、終盤は吐き気が収まっていた。
 
大分の市街地に入ると、だんだんと元気がなくなっていくのがわかる。もう頑張らなくてもいいんじゃないかという気持ちが襲ってくる。大分だって美しい並木道なのだけど、木陰ができる分薄暗い。応援もないし、大型の店舗やファミレスもない。海も見えない。別府側の国道10号線があまりに開放的でリゾート的な作りなので、落差が大きいのだ。なんだか寒々しくもある。橋を渡るたびに小さなアップダウンがあり、ボディブローのように少しずつダメージが蓄積していく。4分半のペースを維持したのは、26kmまでだった。その後は結局最後までペースが上がることはなかった。
 
花火が上がり、トップのランナーのゴールを告げる。僕はまだ28km地点だ。先は長い。変化のないまっすぐな道に飽きてくる。ゴール地点を遠ざかっていくのが悲しい。今年に入ってから30kmまでしか走ったことがなく、スタミナが足りないことが露呈する。意識が朦朧となり、残りの距離から予想タイムを計算することができない。
 
前に進む気持ちが失われる。体がエンジンが切れて惰性で前に進んでいく車になったようだ。キロ5分まで落ちた。35km地点の折り返しを過ぎてもペースは上がらないが、幸いなことにそれ以上落ちることもなかった。36kmから僅かだけどスピードが回復する。意識も少しずつクリアになり、予想ゴールタイムを計算する。3:13の前半だろうか。もうちょっと頑張れば12分台も狙える。
 
残り1キロを切って、ペースを上げたいが全く上げることができない。競技場に入ってなんとか頑張ろうとすると足が攣る。がくっと膝が落ちる。でも立ち止まらなければならないほどではない。かろうじて走り続けることができた。地面を蹴ることはできないが、下を向いて歯を食いしばって走る。最後の直線で知り合いに抜かれた(本来、後ろにいるはずのないランナーだ)。声をかけると手を振ってくれた。もしネットタイムがあれば勝ったはずだ。
 
ゴールラインを越える。感動的なゴールというよりも、事務的にラインを跨いだという方が正確かもしれない。ゴールも、3時間超えとなるとゴールテープもなく、どこがゴールかもよくわからない。スタート地点との違いは、センサーがあること、トラックなので大体のゴール位置を想像できることくらいだ。
 
とにかくゴールラインを越え、完走者タオルをもらう。肩からかけてもらうのではなく、手渡しされるだけだ。あくまでも事務的で、何の感慨もない。
 
記録はグロスで3:13’56”。ネットでは3:12’55”。自分の中では3番目の記録。今シーズンとしてはちょっとずつ記録は伸びているのだが、満足できる結果が出ない。特に、後半のタイムが前半よりも5分も落ちていた。今シーズンは別海町パイロットマラソンと湘南国際マラソンがネガティブスプリット、つくばマラソンも前後半差が30秒以内と、失速しないことを心がけていただけに悔しい。
 
レースを終えてホテルに戻る。レースがどんなに苦しくても、納得のいくタイムで走れなくても、じわじわと楽しかった温かい思い出が体の中を支配していく。アルコールの陶酔感がやや遅れて到達するように。また来年戻ってきたいと思う。
 
4’51” 4’13” 4’36” 8’56” (5km 22’37”)
4’25” 4’22” 4’28” 4’27” 4’40” (10km 44’58” 22’21")
4’20” 8’47” 4’29” 4’22” (15km 1:06’56” 21’58”)
4’23” 4’33” 4’11” 4’23” 4’38” (20km 1:29’05” 22’09”)
4’25” 4’24” 4’31” 4’29” 4’12” (25km 1:51’06” 22’01”)
4’29” 4’33” 4’35” 4’40” 4’33” (30km 2:13’57” 22’51”)
4’37” 4’44” 4’37” 5’01” 4’58” (35km 2:37’55” 23’58")
4’58” 4’46” 4’47” 4’47” 5’01” (40km 3:02’13” 24’18”)
4’52” 4’57” 0’54” (3:12’56” 10’43”)
 
First Half 1:33’55" 
Last Half 1:39’03"

赤羽マラソン

別府大分マラソンの前哨戦として、赤羽ハーフに参加。

前日が雪予報だったのが気になったが、結果的には思ったほど寒くもなくマラソン日和だった。

昨年は18km以降はペースダウンしたり立ち止まったりしつつも90分ジャストだったので、最低でもこのタイムは越えないといけない。目標は90分に設定。

スタート前、80-89分のブロックに並ぶ。前に並んでいる女子が、「私は5分半のペースで行く」と宣言していた。遅い人は後ろに行ってほしいけれど、一人二人注意したところであまり効果はないので黙っている。

しかし、スタートしてみると周辺はすごくゆっくりと走っていて、渋滞を抜けるのに苦労する。最初の1キロが4'40"。少しずつ取り返していくしかない。1km過ぎるとだんだん走りやすくなり、ほぼ予定通りの4'15"弱のペースになる。今までよりもストライドを大きくして走る。

が、4'15"ペースで行けたのは4kmまで。そこからは4'20"前後まで落ちる。ほぼこの辺で90分はあきらめる。無理にペースを上げると後半の失速が怖いのでそのまま進む。向かい風だったので前のランナーに付くと、きれいな2列の長いラインができた。ペースは遅いが、走りやすい。

9km地点から土手の上に上る坂道に入る。ここで集団のペースが若干落ちたのでペースを上げて一気に抜いていく。去年はペースダウンしてしまったので、坂道で加速できる(と思っているだけで気のせいかもしれないけど)のは気持ちが良い。

土手の上は強風が吹いている。下を向いていればよかったのだけど、道路が細くなり、前方から折り返したランナーがやってくる。ペースは上がったままなので、抜くために中央寄りを走る。対抗ランナーに注意して、前を見ていないといけない。

その瞬間、帽子を飛ばされた。手賀沼に次いで2回目。またやってしまった。取りに戻る。風が強いときは帽子を前後逆に被るとよいみたいである。

帽子を飛ばされた精神的ショックでペースは落ちたまま。下りこそ4分弱で走ったが、全然ペースが上がらない。9キロ手前で抜いた東洋大の女子にも抜き返された。

14km地点の標識に15kmと書かれている。ここ14kmですよ、と教えてあげると、スタッフは何度も指摘されているのか、にやにやしているだけだった。今回は冷静に考えることができたが、もし15kmと勘違いしてしまっていたら、事実に気づいた時のダメージは大きいと思う。

残り5キロになって、残りの距離も少なくなってきたからか、ペースを上げられるようになる。目標通りの4'15"ペースまで上げる。最後の1キロは4'01"だった。結果はネットで90'55"。途中でロスがあったとは言え、予定より1分近くも遅かった。

先日の練習会の感じからしてもうちょっといける気がしていたので残念である。今週末、最後にスピードを鍛えるのも一つの選択肢かもしれないけれど、年明けから30km以上を一度も走っていないので、少し余裕のあるペース(4'30"くらい)で30km走を入れようと思う。

4’40” 4’15” 4’08” 4’12” 4’22” (5km 21’38”)
4’20” 4’18” 4’21” 4’17” 4’39” (10km 43’33” 21’55”)
4’24” 3’54” 4’33” 4’17” 4’19” (15km 1:04’59” 21’26”)
4’35” 4’10” 4’15” 4’15” 4’16” (20km 1:26’29” 21’30”)
4’26” (21.0975km 1:30’55”)

湘南国際マラソン

波乱の幕開けだった、らしい。コース上に止まっていた車の中から男性の遺体が見つかり、警察が通行止にしてしまった。ハーフマラソン、10kmのランナーが足止めを食らい、レース不成立、表彰式も中止という事態になった。我々フルマラソン参加者もそのあおりを受けて、スタート時間が5分遅れ、その間はるな愛さんと德光和夫さんが何事もなかったように場を繋いでいた。コースで整列していると放送はよく聞き取れないので、なぜ遅れたのかは分からなかった。しかし、5分遅れただけでレースがとり行われたことは幸運だった。
 
昨年のこのレースは途中棄権、それもわずか13km地点までしか走ることができなかった。そもそもが相性の悪いレースで、6回走って3時間半を切れたのは2回しかない。西湘バイパスの上り坂に恐怖心を抱いている。
 
昨年と言えば、ギリギリに会場入りしたためトイレに行くこともできなかった。例年、駅から会場までのシャトルバスが長蛇の列となるため、思った以上に時間がかかってしまうのだ。シャトルバスの到着場所である大磯プリンスホテルから会場までが遠いのも問題である。自宅から最寄り駅までバスの始発に乗っていくと、同じ轍を踏むことになる。
 
今年は最寄り駅までのバスを諦め、綱島駅まで27分の道のりを歩くことにした。それでもつくばマラソンの時の36分に比べれば大分短い。7時前には会場に入り、すでに混んでいた休憩所にわずかな場所を確保し、そこにレジャーシートを敷いて横になった。人一人寝れるかどうかのスペースで、まるで遺体置場に並べられているような気分になった。早朝から起きていることもあり、横になっているとすぐに眠りが訪れた。短い睡眠の後、じっくりとストレッチをして、Bブロックに整列をする。
 
この整列中に上記の事件が発生していたということである。5分とはいえ、予定よりも長く並んでいるといらいらするが、もしハーフマラソンが先にスタートしていなければ、我々がレース不成立の憂き目に会っていたかもしれない。近くにはどこかのランニングクラブの集団が興奮してはしゃいでいる。かなり良い歳をしているが、浮き足立つと周りが見えなくなるらしい。後ろも見ずに、後ろの人と話をするためにバックしてきて、足を踏まれてしまった。その環境で理由も分からず5分待つのは、長く感じた。
 
体調は良いと思った。レース前1週間のトレーニングメニューはつくばマラソンの時とほぼ同じにした。月曜日にインターバル1000mを8本。水曜日にトレッドミルでビルドアップ走。金曜日に1000mのタイムトライアル。つくば前と比較することで調子を判断できると思った。その結果、月水金、すべての練習でつくばマラソン前の練習より好結果だった。それで体調は良いと判断した。
 
湘南国際マラソンのコースは、前半に西湘バイパス出口付近で下り、後半に同じ場所を上る。従って、前半を気持ちよく走れてしまうコースになっている。前半に予想以上にスピードが乗ってしまうことを考慮して、20km地点までをキロ4’35”で抑える。そこからギアチェンジして4’30”にすることを考えた。前半抑えた分を後半で取り返す作戦である。コースの特性を考えると、あまり大きなギアチェンジはできないだろう。トータルで3時間11分台で走れる計算だ。
 
スタートして最初の1kmは4’54”。若干渋滞したとはいえ予想外に遅い。その後、少しずつペースを上げていくが、思ったようにスピードが乗らない。乗りすぎてしまうことを心配していたのに、押してもスピードが乗らないのは問題である。4’40"くらいまで上げると、下り坂でも息がしんどい。つくばマラソントップギアに入れた後くらい辛い。おまけに足が痛い。右足の足首から下が言うことを聞かず、つま先が外側を向いてしまう。痙攣の兆候のような状態である。
 
先は長いのにこれだけきついと、昨年と同じ途中棄権の文字がちらつく。5km地点で記録を諦めて、完走を目指すことにした。完走を目指すとして、どれくらいのタイムになるだろう。4時間は切れるような気がする。後半の失速を考えると3時間半は難しいかもしれない。
 
次に言い訳を考え始めた。好きで走っているので、誰に言い訳をする必要もないのだが、職業的に言い訳を考えるのが癖になっているのかもしれない。まず考えたのはつくばマラソンからの間隔が短すぎたことだ。中2週間では見えない疲れが残るのかもしれない。練習のしすぎも考えた。レースの前の週は、e-Athleteの練習会(ビルドアップ20km)と月例川崎マラソン(5km + 10km)に行っていた。ちょっとやりすぎだっただろうか。レースの始まる前に会場で寝てしまったせいで交感神経の働きが鈍ったのだろうか。考えても結論は出ない。
 
7km地点を通過する。ペースを落としたつもりだったけれど、それほど顕著には落ちていないようだ。後ろから、黒いウェア、黒いシューズに身を包んだ女子ランナーがじわじわと追い抜いていく。一気に抜かれたらついていけなかっただろうけれど、それほどスピードがあった訳ではないので、一か八か後ろについて走ることにした。若干きついけれど、ただただこの女子ランナーのお尻と足だけを見て走るのだから気持ちは楽になった。ペースは極めて安定していて、4’40"よりちょっと速いくらいだった。筋肉が盛り上がるようなすらりとした脚ではなかったけれど、いかにも健康で若々しい脚に見えた。ストライドは女性にしては大きく、ついていくのに都合が良い。
 
8km地点の標識が、最初9kmに見えてしまい落胆する。好調なときは10kmの通過が早く感じるものだが、今回はそう感じることはなかった。調子はやはり悪いのだろう。まだ序盤なのにトイレに行きたい。
 
景色を見たり、他のランナーのことを観察するのをやめて、女子ランナーのお尻に意識を集中した。レースのことを考えることを放棄した。
 
沿道の応援で55というタオルを掲げている人がいた。ゴーゴー、という意味かもしれないし、巨人からヤンキースに移籍した松井選手と関係があるのかもしれない。松井選手は、日本ではホームランバッターの名声を欲しいままにしていたが、メジャーリーグでは中距離ヒッター、特にチャンスに強いバッターとして成功した。おそらく、日本のプロ野球のときと同じようにホームランバッターを目指していたら、失敗していただろう。メジャーリーグでは短い期間で結果を出すことが求められるので、移籍して1年間、結果を出せなければ、ヤンキースでは獲得失敗の烙印を押されてしまうのだ。だからこそ、ホームランバッターの大成功ではなくても、松井選手は中距離ヒッターとして最低限の結果を出すことを選んだ。そして、メジャーリーグで短期間で適応できたことが、彼の長い成功につながったのだろう。そして、チャンスに強いクラッチヒッターというのは、ヤンキースという強打者が揃った球団では、松井選手にとってはチャンスだったはずだ。周りに強打者がたくさんいると、当然マークは甘くなるし、チャンスでも相手投手が勝負してくれるというメリットがある。そこに松井選手自身のチャンスを見出したことは、合理性があるのだ。
 
女子ランナーの後ろについて、マラソンと関係のない松井選手のことを考えながら走る。13km地点を通過する。去年棄権した場所だ。無事通過できて、一安心する。
 
対向車線をトップランナーが走ってくる。黒人の選手が先頭集団を引っ張っている。ワイナイナ?まさか。だんだんと感覚的には1kmが早く訪れるような気分になる。ペースを上げたくなるが、じっと我慢する。
 
18.5km地点で折り返しを慎重に通過する。富士山が雄大な姿を見せる。横浜から見るときより明らかに大きい。山頂まで雲一つない。山麓まで降り積もった雪が、大きさを誇張している。
 
20.5kmでは東北復興の給食で東北ゆかりのお菓子が提供される。ひとくち南部煎餅、福島長久保のしそ巻き(漬物)、伊達絵巻(小型バウムクーヘンの中にクリームを入れたもの)が出されていた。それも、同じエイドに3つ並べて置かれていた。エイドの幅は1mもないので、よほど事前から知っていなければ食べることは難しいだろう。
 
エイドに立ち寄って、それぞれ一つずつ取る。伊達絵巻としそ巻きをを同時に口に入れ、南部煎餅を手に持って走った。甘さとしょっぱさが同時にやってくる。正しい味わい方ではないかもしれないが、伊達絵巻のふわっとした食感と、しそ巻きのコリコリとした食感のコントラストがお互いを引き立てていた。主催者が意図したものかは知らない。南部煎餅は、水分が足りず飲み込むのに時間がかかった。チョコレートと並んで、給食には不向きな食べ物だ。なぜ1箇所に全部おく必要があるのかと疑問に思うが、とりあえず全種類全て味わうことができた。
 
20kmを過ぎる頃には、体が軽くなってきた。体に力がみなぎってくる。ストレス診断テストのチェック項目みたいだ。体に力がみなぎってくる。しかし、錯覚、幻想、勘違いということも多い。数少ない個人的経験から述べさせていただくと、ランナーの感覚はほとんどこの3つに支配されていると言ってもいい。ペースメイカーにさせていただいた女子ランナーに別れを告げ、ペースを上げる。失敗して辛い思いをしたくないので、感覚的にきつくないペースを維持する。
 
30kmまで、ほぼ4分半をキープすることができた。つくばマラソンのときは、このペースで走れたのは29km地点までだったので、より長くペースを維持できていることになる。31km地点で、攣ったわけではないが芍薬甘草湯を飲む。予防的措置。ペースはさらに上がり4分台の前半が続く。3時間15分で走るためのペースを計算する。4分42秒まで大丈夫。
 
33kmから上り坂。西湘バイパスに入る。上り坂は約2km続く。ペースは4’45”〜4’50”まで落ちる。35kmを通過。上りきって再度ペースを上げる。呼吸は苦しいが残り7kmならばスタミナは保ちそうな予感がある。
 
36kmの標識を見逃し、37kmの標識を通過。2km合計で10分台後半。ペースが上がってると思ったのは錯覚だった。次の標識は、高速道路の距離表示から想像するに600mくらいでやってきた。ラップは3’07”。湘南国際マラソンの距離表示は以前から怪しげだったけれど、ここまでずれてるのか。
 
一度大磯プリンスホテルを通過して二宮方面に抜ける。残り4kmを19分で走れば、3時間15分を切れる可能性が出てきた。40kmの前に3つ目の芍薬甘草湯を飲む。流し込むための水もないので、苦いが時間をかけてゆっくりと胃に送り込む。にもかかわらず、41kmを過ぎるとふくらはぎが痙攣。つくばでは3つしか持たなかったが、今回は4個の芍薬甘草湯を持ってきた。それも飲むが、もはや効き目はないみたいで断続的に痙攣してしまう。ただ、走れなくなるほどではなく、その都度ペースを落としながら堪える。ラストスパートしたくても、体はついてこない。もどかしいままゴール。3時間13分40秒。
 
前半の5kmで記録を諦めた割には、つくばマラソンのときより2分タイムを縮めることができた。特に20kmから先は予定通りのほぼ4分半ペースで走ることができた。ラスト2.195kmで10分を切ったのはたぶん初めてだと思う。結果だけを見れば理想的なネガティブスプリットでまとめることができたという意味では、会心の走りだった。前半は勝負を捨てて、後半をハーフマラソンと思って勝負する、というのもアリなのかもしれない。
 
4’54” 4’51” 4’45” 4’41” 9’23"
4’48” 4’38” 4’39” 4’38” (10km 47’15”)
4’31” 4’44” 4’46” 4’59” 4’07” (15km 1:10’23” 23’08”)
4’43” 9’06” 4’26” 4’50” (20km 1:33’28” 23’05”)
4’32” 4’17” 4’49” 4’31” 9’07” 
4’31” 4’32” 4’18” 4’29”  (30km 2:18’35” 45’07”)
4’23” 4’24” 4’20” 4’47” 4’48” (35km 2:41’16” 22’41”)
10’36” 3’07” 4’37” 4’23” (40km 3:’03’59” 22’43”)
4’09” 5’35” (42.195km 3:13’44” 9’44”)
 

つくばマラソン

つくばマラソンは今年からウェーブスタートになった影響で、僕が入るBブロックは9:00スタートと、30分も早くなってしまった。90分前の7:30に現地入りするためには、始発電車に乗らなくてはならない。そして、困ったことに、そんな時刻にバスは走っていない。調べてみると、最寄駅の綱島から東急東横線に乗るよりも、新川崎まで行って横須賀線に乗った方が効率が良いことがわかり、新川崎まで3キロちょっとを歩くことにした。
 
ほとんど初めて歩くような道だったが、早朝(というか深夜の)住宅地や商店街を抜けて駅までたどり着く。普段から長距離を黙々と走っているせいか、40分近く歩いてもそれほど苦にはならなかったが、路地から急に車が出てくるとちょっと怖い。
 
秋葉原つくばエクスプレスに乗り換える。当然ながら同じレースに参加する多くのランナーが並んでいて、凄まじい椅子取りゲームになったが、運良く座ることができた。荷物で場所を確保しようという不届き者もいたが、丁重に(?)苦情を申し述べて荷物をどけていただいた。
 
これで研究学園駅までゆっくりしていけるかと思ったら、隣からギーギーと耳障りな音が聞こえてくる。見ると、おっさんが小型のペーパークリップを開いたり閉じたりしている。なぜ電車の中で必要もないペーパークリップを持っているのかと思って見ていると、髭を抜いていた。うるさいだけでなく、抜いた髭をその辺にポイと捨てるので、おっさんの黒い鞄の上には白い髭が何本も落ちて何だか不潔である。
 
迷惑なおっさんに耐えながら駅に到着。シャトルバスは例年通りの長蛇の列。何度も折り返しを過ぎて何とか乗り込み、ようやく現地入り。
 
ウェーブスタートにしたおかげか、荷物預り所もスタート地点も混まず(男子トイレだけは混んでいた)、スムーズに整列。今年のゲストランナーは野々村真さん。アナウンスによれば3分57秒45のタイムをお持ちだとか。毎年つくばマラソンのアナウンスは場を和ませるサービスに事欠かない。野々村真さんは挨拶で訂正することもなく、皆さん頑張りましょうと普通にスピーチしていた。この辺はさすがプロですね。
 
今年は、距離も踏んで、体重も落としているにも関わらず、とにかくスピードが出せない。そんな中で自己ベストの3時間8分を目指そうとすれば失速するのは目に見えているので、目標タイムは3時間15分に設定した。最初の10キロを4’50”ペース、次の10キロを4’40”ペース、20キロから4’30”にすればほぼ目標通りのタイムになる。
 
スタートは混み合うこともなくスムーズ。最初の1キロは4’55”。ちょっと遅いけどなかなかのペース。M高史さんが近くを走っていた。顔は確かに川内優輝選手に似ているが、髪の毛が伸びすぎている。話しかけてみた。何箇所かのポイントで中継するのが今回の仕事なのだそうだ。それでも最後まで走らないといけないですけど、とのこと。5キロ地点くらいまでは、ちょうどペースが一緒だったのでずっとM高史さんを見ながら走る。やっぱり有名人は応援がすごい。
 
ランニングクラブの女性メンバーが応援してくれる。ハイタッチをして頑張ります宣言をし、元気をもらう。その後も知り合いの女性メンバーを見つけるも声をかけそびれる。その後は4’46”、4’49”と予定通りのペースで落ち着く。3kmから4km地点の1キロは4’28”。ペースが上がってしまったので落ち着ける。
 
その後も無意識のうちにちょっとずつペースが上がってしまう。前に、「大島めぐみ」というゼッケンを発見。大島さんはアテネオリンピックを目指すも、わずか数秒の差で代表の座を逃してしまったという経歴を持つ。それでも10000mで代表選手になるなど、ただでは転ばないというか、目標に向かって気持ちをさっと切り替えられる力があるのだろう。
 
現役時代の体型は失礼ながら知らないのだけど、現在は少しふっくらされている。それでも、キロ4分40秒くらいで全く息を切らさず走れるのだから元アスリートというのはすごい。
 
するすると近づいて声をかける。大島さんは4時間くらいで走ろうとしているそうで、僕の目標は3時間15分なんですと伝えると、ちょっと急いだ方がいいかも、との返事。それでも、今日は走りやすいでか?とか色々と話してくれて、かなり長いこと話してしまった。
 
おかげで、ペースは若干落ちて4’44”。大島さんには迷惑だったかもしれないけれど、しばらくレースを忘れることができた。長距離を走る場合には、時には気晴らしも必要だと思う。10kmの通過は47’04”。予定よりも1分以上速い。良くないことなのだけど、走っていると、1分も貯金ができたと喜んでしまう。
 
10kmからペースを上げて4’40”へ。20kmまで全区間で4’30”台と安定していたけれど、やはりちょっと速めである。それでも今日は調子がいいと勘違いしてしまう。しかし、楽なペースを維持していると、早めの給食を摂る余裕が出てくる。あんぱんや、持参した羊羹を食べて後半に備える。
 
今年からつくばマラソンはコースが一新された。去年までは中間で折り返した後は、全く同じコースをただ帰ってくるという、平坦だけどちょっと単調なコースだった。今年は、それがワンウェイで大きな円を左回りにぐるりと廻るコースになった。
 
つくばマラソンのコースの魅力は、遠くに見える筑波山と銀杏並木だろう。銀杏はちょうど紅葉の時期で、走りながらも心を打たれる。数多くの企業や国の研究所が並ぶが、どこも敷地が広々としている。平日はそれなりに賑わうのだろうけど、日曜の朝はどこも閑散としている。散歩やジョギングには楽しそうだ。
 
1周ぐるりと廻るので、基本的に左折が多い。何度も何度も左に曲がっているうちに、方向感覚がなくなってしまい、同じところをぐるぐる回っているのかと錯覚してしまう。
 
景色だけでなく、時々周りのランナーを観察する。フォームが縮こまったランナーを見つけることもある。自分もかつてはそんな走りだった、今の自分はどうだろうと考える。腕を振ってストライドを上げるようにする。
 
なんてことを考えているうちに、いつの間にか20km地点。5kmごとのタイムは22分台後半だった。20kmの通過は1時間32分台で予定より2分速い。これなら3時間12分台も可能で、もしかしてセカンドベストもあり得る、と妄想も膨らむ。もちろん、この妄想は30km地点で打ち砕かれることになる。
 
20kmで二度目のギアチェンジ。4’30"ペースに上げる。きつくはないが、少し押していかないといけないくらいのスピード。先日の練習会ではこのペースで20km走って余裕があったので、同じくらいの距離は行けるだろうと思っていた。
 
R2の女子ランナーが走っている。背中に名前、ニックネームが書かれていて、「ニックネームで呼んでね」なんて書いてあるもんだから、よほど声をかけようかと思ったのだけど、誰も話しかけていなかったので、やめておいた。それでも、この辺りは大集団になっていた。話しかけられないけれど一緒に走りたい人はたくさんいるのだろう。
 
28km地点の給水所でバナナを取る。食べてみると、リンゴのようなしゃりしゃりとした食感。全然熟れてないでないの。ちょっとはサンプリングして食べてみなかったのかと、毒づきたくもなるが、あいにくそんな相手はいない。とりあえず手に持っていたバナナは捨てさせてもらう。問題は口の中に突っ込んだ分だ。ぺっと吐くのも汚いので、水で胃に流し込んだ。
 
その先で折り返し。ちょうどカメラが待ち構えていたので、カッコつけようとガッツポーズしながら、体を横に倒してスピードを落とさずに曲がろうとした。その瞬間足の裏が攣った。足の先がまっすぐ前に向かないまま固まってしまった。丁寧にスピードを落として回ればよかったと思うけど、時すでに遅し。一つ目の芍薬甘草湯と投入。500mも走らないうちに痛みが引いていく。薬の力は大したものだ。
 
でも、折り返しの後は緩やかな登りということもあり、30km地点でのラップが4’49”に落ちていることを知る。急に遅れを取り戻そうとすると往々にして失敗するので、徐々ペースを取り戻そうとする。3キロほどは粘ったけれど、33kmを過ぎるとずるずるとペースが落ちてしまった。
 
最初ゆっくりとスタートしたので、ずっと他のランナーに抜かれることはなかった(何かの間違いで第二ウェーブに入ってしまった人は除けば、ということだけど)けれど、この辺りから抜かれることも多くなった。ペースは4分40秒台の後半まで落ちてしまった。35km過ぎて、ハムストリングがピクピク痙攣を始めたので、二つ目の芍薬甘草湯を飲む。残りの芍薬甘草湯は一つ。これはゴールした後に飲む予定のものだ。
 
38kmで筑波大学構内に戻る。39kmを過ぎて再び痙攣が始まる。これまでと同じ走り方をしていたら間違いなく攣るという予感がある。ピッチ走法に切り替える。さらにペースを落とす。ついにキロ5分台まで落ちる。虎の子の芍薬甘草湯を飲むことにする。もののけ姫のモロの君のように、最後まで温存しておいたものだ。やれやれ、ゴール後のために残しておいた最後の薬なのに。
 
もう、ゴール後にどうなってもいいので、薬を飲む。次の1キロは5’08”。さらに遅くなる。が、薬も効いてくる。さらに、ランニングクラブの女性メンバー二人に声をかけてもらい、最後の力をもらう。次の1キロは4’40”と回復。左に折れると競技場に入り、ゴールが見える。
 
ここで頑張りすぎるとまた攣ってしまうので、慎重に攻める。目の前のランナーを左から抜きにかかる。と、このランナー、カメラに写るために左に曲がって邪魔をしてくる。競馬で言えば斜行で失格レベルに迫ってくる。すごく邪魔だ。完全に遠回りしないとゴールに行けない。抜き去ろうとすると、急に意識してペースを上げてきやがった。すごく腹が立つが抜き返せず。そのままゴール。
 
悔しいが、最後にあそこまでペースが落ちなければそんな目に遭うこともなかったと、自分が悪かったと思う。圧倒的なスピードで抜き返す力もなかった。この悔しさは次に活かさないといけない。
 
タイムはネットで3:15’38”。目標には40秒ほど届かなかった。39km地点で諦めてしまった。5kmごとのラップは途中までは順調に上がっていったけど、その後は落ちてしまい逆V字になってしまった。4’30”ペースで20キロ走るはずが、たったの9キロしか保たなかった。せっかくダイエットしたのに、最後の最後にリバウンドしてしまった。
 
ランナーとしても人間としてもまだまだ未熟だけれど、自分で自分を褒めてあげたい。
 
4’55” 4’46” 4’49” 4’28” 4’48” (5km 23’47”)
4’42” 4’39” 4’37” 4’44” 4’36” (10km 47’04” 23’17”)
4’33” 4’36” 4’34” 4’31” 4’38” (15km 1:09’57” 22’53”)
4’34” 4’35” 4’33” 4’31” 4’35” (20km 1:32’45” 22’48”)
4’24” 4’29” 4’27” 4’26” 4’30” (25km 1:55’01” 22’16”)
4’22” 4’29” 8’55” 4’49”          (30km 2:17’35” 22’34”)
4’33” 4’36” 4’33” 4’45” 4’47” (35km 2:40’50” 23’15”)
4’48” 4’48” 4’47” 4’44” 5’02” (40km 3:04’59” 24’09”)
5’08” 4’40” 0’51” (42.195km 3’15’38” 10’39")
前半1:37’36” 後半 1:38’02"

手賀沼マラソン

4’37” 4’18” 4’14” 4’13” 4’22” (5km 21’43”)
4’21” 4’17” 4’18” 4’17” 4’25” (10km 43’20” 21’37”)
4’18” 4’22” 4’25” 4’21” 4’18” (15km 1:05’05” 21’45”)
4’07” 4’48” 5’07” 4’55” 4’50” (20km 1:28’52” 23’47”)
4’13” 0’26” (1:33’31” 4’39”)

別海町パイロットマラソン

21’27” 5’26”(5km 26’53”)
4’58” 4’58” 4’55” 4’56” 5’05” (10km 24’52” 51’45”)
4’59” 4’58” 4’48” 9’51” (15km 24’36” 1:16’21”)
4’48” 4’55” 4’44” 4’38” 4’56” (20km 23’59” 1:40’20")
4’44” 4’51” 4’32” 4’28” 4’30” (25km 23’06” 2:03’26”)
4’32” 4’25” 8’53” 4’35” (30km 22’25” 2:25’51”)
4’35” 4’34” 4’28” 4’33” 4’46” (35km 22’56” 2:48’47”)
4’52” 4’48” 5’02” 5’36” 5’39” (40km 25’57” 3:14’44”)
5’58” 6’53” (42.195km 12’51” 3:27’35”)
 
First Half 1’45’39” Second 1:42’04” Total 3:27’35” Gross 3:28’06"