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マイナス金利により日銀は赤字に転落するのか

日経ヴェリタスが、マイナス金利の影響に対するSMBC日興証券の試算を紹介している。これによると、マイナス金利は家計にも企業にも、そして銀行にもプラスの影響を与える。そして、誰がその損を引き受けるかといえば日銀なのだと言う。その額は8000億円と書かれている。

これはある意味当然な話である。銀行はマイナス金利国債を買っても、日銀にそれ以上の値段で売ることはできる。でも日銀は高値で買って安値で償還するしかない。だから日銀は確実に損をする。

一方で付利がマイナスになっても、マイナス金利の対象は当座預金全体の1割程度しかないので、付利の平均はプラスのままである。

つまり、日銀は金利を払って借金をして、その金で確実に損をする国債を購入していることになる。従って、株式や不動産を購入した損益を無視すれば、日銀は赤字に転落するはずである。

現在日銀が保有する国債のほとんどはプラス金利時代に購入したものなので、すぐに赤字になることはない。しかし現在の金融政策が続くのであれば、2、3年で赤字転落する可能性があると見ている。

同じヴェリタスの記事では、日銀の「財務が傷つけば、円の信認が落ち、実体経済も混乱に陥る」と書かれている。実際には、日銀が赤字化、または債務超過状態になって財務が傷ついたとしても、政府が救済するしかないので、直ちに「混乱に陥る」可能性は低いと思う。

それでも、円の信認が落ちて円安になることはあるだろう。それが黒田総裁の狙いかもしれない、というのは穿ちすぎだろうか。

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