スターバックスは危険な飲み物か

アクション・オン・シュガーは、スターバックスが提供するドリンクに含まれる砂糖の量が「危険なレベル」に達していると主張しているらしいです。

この主張によると、最も砂糖含有量の多い最大のドリンクで99gの砂糖が使用されているとのことです。

マクドナルドでも同様の意見を聞きます。しかし、この主張に反対します。

問題点1: 問題は一人当たり1日の摂取量ではないのか

スターバックスは顧客のニーズに対応するために様々なサイズのドリンクを提供しているはずです。砂糖の絶対量が問題であれば、スターバックスはベンティサイズの提供をやめればいいだけですが、それならばグランデサイズを2杯飲む人だって出てきます。しかし、アクション・オン・シュガーはグランデ2杯ならば問題はないと言っているのです。

逆に、1個の商品に含まれる砂糖量を問題にするのであれば、ホールケーキを糾弾すべきです。5号サイズのホールケーキには、スターバックスのあらゆるドリンクよりも多くの砂糖が使われていると考えられます。

おそらく、アクション・オン・シュガーはホールケーキはシェアされることが前提で、スターバックスは一人が飲むことを暗黙の了解としているようです。しかし、買った商品をお客様がどう扱うかはライフスタイルの違いでしかありません。

規制するならば、1日当たりの砂糖摂取量で規制すべきで、一つの店舗が1回の提供に含まれる砂糖量で規制すべきではありません。

問題点2: 砂糖だけが問題か

砂糖には依存性があるというのはほぼ確かなようです。高カロリー食品は報酬系に作用して食欲抑制ホルモンの働きを圧倒してしまうという研究報告があります(The Food Addiction(SCIENTIFIC AMERICAN September 2013) )。この研究では、肥満者はアルコール、コカイン患者と同様にドーパミン受容体が不足しているとまで書かれています。

しかし、これは砂糖という単体の食品ではなく高カロリー食品全般に見られる特徴です。砂糖だけを悪者にするのは正しくありません。恐らく、脂肪や、食欲を増進する塩分なども含めて規制をする必要があると思います。

問題点3: 手段が目的化している

アクション・オン・シュガーは、「砂糖のような体に悪いものを提供するのはけしからん」と主張しています。しかし、本来の目的は、「多くの人が健康に暮らせる世界を実現することで、医療費を抑えよう」ということではないでしょうか。健康に暮らすために砂糖の総量を抑えることは重要ですが、体脂肪率が10%程度のスポーツマンの砂糖摂取量を減らしたところで、健康になる度合いは限られてくるでしょう。

人間が健康に暮らせるためには、食べ物だけでなく、衛生環境、運動、睡眠、ストレスなど多くの因子が関わってきます。これらを総合的に見ていく必要があると思うのです。

結論: 目的に沿った規制を

中には砂糖に課税せよという過激な意見もあるようですが、糖分は、安価に入手でき、生きていくために必須のカロリーが摂取できるという点ではなくてはならないものです。

問題は、高カロリー食品の摂りすぎにあるわけですから、理想的には、1日当たりの糖質と脂肪の総摂取量のうち、運動で消化できなかったものを課税対象にするのが良さそうに見えます。これを定量的に一人一人計測することは困難です。もし、食事に関する不健康を減らすための規制を導入するのであれば、BMIまたは体脂肪率に課税することを提案します。スターバックスマクドナルドを糾弾すべきではないと考えます。

 

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